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Instagramアカウント分析ツール「PONY」APIとの戦い

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ひとつのサービスとお別れをするのは、こんな寂しさなのかとひしひしと感じています。

PONYは、Instagramって、写真アップしていってこれってどうなの?いい感じなの?いいねとか来るしフォローとかもあったりするけど、いけてるのかな?どうなのかな?という疑問に対し、「目に見えないInstagramでのアカウントの成長を客観的に分析できるツールがあればいいな!」、ということで誕生したサービスでした。

たくさんの方々に利用していただきたいという思いから、サービスとしては無料での提供ということもあり、ユーザー数は最終的に1万を超える方々に利用いただきました。個人アカウントの方から中には「え!?あんな大企業のアカウントも!?」といったたくさんの方々にご登録いただき、Instagramへの関心の高さを、ご登録いただく方々を見ながらひしひしと感じる日々でした。

ただ、無料での提供であることで、反面サービスの整備にリソースが追いつかないという状況があったことも確かです。PONYをご利用いただくことで、Instagramの利用がより最大限楽しく感じてもらえればいいな、という部分はありつつも、会社として運営している中でどこまでのサービスを提供していくのかは常に命題でした。

Instagramのアップデートは止まることを知らず、ストーリーズ、gifスタンプ、アンケート、などのエンターテイメント性の高い機能から、ビジネスアカウントとしてインサイトの表示、またその項目の拡充、そしてShopNow機能としてのコンバージョンへ直結する機能といった、ビジネスサイドの機能といった側面も強化していく方向へとぐんぐん舵を取りました。

そんな中、我々はより必要とされるニーズに応えるべく、PONYの再開発へ向けての決断をしたのでした。

そういったこれまでの軌跡を簡単にまとめたいと思います。

2017.12.14

全ての始まりはこの日。以下のようなメールが届きます。

We wanted to inform you of upcoming API changes that affect Instagram’s two public APIs.
Starting July 31, 2018 we will begin deprecating the older
Instagram API Platform with complete deprecation occurring by early
2020 – please see a detailed timeline below. We understand that
this may affect your business or services so we want
to ensure a smooth transition by informing you of these changes.

要するに、InstagramAPIの使用をドンドン制限していきますよ、といった意味のものでした。段階的にこれらは使えなくなるので、そこの対応しておいてね、と。

しかしここでの変化は我々はすでに視野に入れており、このくらいの変化であれば対応できる、と前向きにリニューアル開発に着手していきました。
そしてこの時期は、データの蓄積も進んでいたので、抽出したデータをどのように整形していくかについて、最も可能性に溢れ、多岐にわたるアウトプットを考え議論していた時期でもあります。
そして徐々に形を定めていき、サービスのリニューアル版のリリースに向けての準備を初めていた矢先、事件がおきました。

2018.3.17

政治・選挙関連データ分析企業のケンブリッジ・アナリティカが、5,000万人分ものFacebookユーザーのデータを不正利用したというニュースです。テレビでもSNSでもかなり話題になっていたので、目にした方も多いのではないでしょうか。

これの責任がケンブリッジ・アナリティカだけでなくFacebook側にもあるのではと問われる中、Facebookならびにその子会社であるInstagramでも個人情報保護が注目され、APIを通じたサードパーティへの情報提供規制の波が広がっていくことになります。

 

よく知らないという人は以下のような記事を見てみて下さい。

 

2018.4.5

ケンブリッジ・アナリティカ事件の影響を受けてか、ここで急変が起こります。
2017.12.14に送られて来た上記のAPI変更予定メールでアナウンスしていた、2018.7.31と2018.12.11に廃止の予定をしていたAPIを、
なんと!
急遽!
今!
この瞬間からストップするという暴挙をお知らせするメールが届きます。

To continuously improve Instagram users’ privacy and security,
we are accelerating the deprecation of Instagram API Platform, making the following changes effective immediately. We understand that
this may affect your business or services, and we appreciate
your support in keeping our platform secure.

The following capabilities will be disabled immediately
(previously set for July 31, 2018 or December 11, 2018 deprecation):

開発チーム内で「まじか..」と囁く声がこだました日でした。

 

2018.4.23

上記の変更を受けて、そこそこダメージはあったのですが、それでもサービスを閉じると言うほどではなく、Instagram APIの仕様変更に伴い、代替のAPIとして提供が始まった Facebook Graph APIがあったので、何か分析項目は変わってもサービス提供は継続可能だと考えていました。また Facebook Graph APIにより、従来のInstagram APIでは取得できなかった、インサイト(Instagramアプリ上で提供されている、自分のアカウントや投稿のリーチやインプを分析できる機能)の情報が取得できる、Insights APIの提供が始まったので、利点もあるかなと思っていました。

Insights API — Insights will now include ad activity generated through the API,
Facebook ads interfaces, and Instagram’s
Promote feature. This affects the following metrics:
impressions, reach

 

2018.5.1

しかしここで追い討ちをかけるように通知されたのは、Business Verificationと呼ばれる、APIを使うなら既に審査を通っていても、8/1までに再審査が必要だよ!というものです。ただ私たちは既に4月から審査は進めており基本項目の審査は通過していたので、それをもとに再審査にかければ問題ないだろう、と思い、再審査の手続きを進めていました。

Business Verification
— In order to use the Instagram Graph API,
all apps must undergo Business Verification, which is part of
the App Review process and now required for all Instagram
Graph API endpoints. Apps previously reviewed before May 1st, 2018,
have to be reviewed again, and have until August 1st, 2018
to do so, or lose access to the API.

 

 

2018.5.24

申請提出から3週間ほど待ってようやく、申請結果が届きます。
そして結果は disapproved 。。。。
この辺りから、いよいよ暗雲が立ちこめます。

当初想定していた、Instagram APIの利用規制とFacebook Graph APIへの以降を通知を受けた時点では、従来通りのサービス提供はできないにしても、
「この項目は表示できなくなる」「代わりにGraph API経由で取れる情報でうまく見せていこう」といった改修でどうにかできると思っていたのですが、
Instagram上の情報を取得するにも、Facebookアカウントでのログインが必要になり、さらにFacebookログインをさせる要件やそれによって取得して良い情報などが、事細かく規制されていくことで、これはツールとして提供できるものではなくなるのでは、という懸念が大きくなっていきました。

しかしまだこの頃は、APIの仕様変更でFacebook側も固まっていない項目があったのか、随時要件が追加・変更されていたため、こちら側も仕様を変更しつつ、再申請を繰り返して、なんとか解決の糸口を模索していました。


2018.7.23

この日の変更が、終了を決定づけることになりました。

以前まではFacebookビジネスマネージャ の権限がなくても、Facebookページに関連付けされているInstagramアカウント情報を取得できましたが、ここのタイミングで新たに Facebookビジネスマネージャの権限を追加しないとInstagramアカウント情報が取得できない ようになってしまったのです。

Facebookビジネスマネージャといえば、代表的なものでいうと広告マネージャとしてFacebookやInstagramに広告を配信すしたり、Facebookにカタログを追加したり、ビジネスとして多角的にFacebookやInstagramを活用するためのものです。もちろん現在では、個人レベルであってもInstagramをビジネスアカウントにしていれば、少額からでもInstagram上に広告を配信することができます。しかし、ビジネスマネージャとなると、基本的には企業が対象と想定されます。つまり、PONYの開発の対象が対ユーザーというよりは、対企業のみへと変更していくことを意味しました。

広告マネージャを利用される方々へ向けての開発をさらに進めるか、計画を断念するか、はたまた他の可能があるのか。

現在アカウントの運用についてのお困りの声もたくさん届いている状況だった中ではありましたが、主に対ユーザーに対してのサービスとして愛用いただいたPONYは終了することになりました。

しかしただ終わるのではありません。

PONYの運用、またこれまでの弊社アカウント運用での実績を踏まえ、将来的には有料版により多彩な機能を搭載予定だったPONYは、ソーシャルリスニングの色をさらに強め、またさらに別のサービスとして進化を遂げます。

これまでまだまだ不十分なところも多かったPONYでしたが、皆様にご愛用いただきまして誠にありがとうございました。
もしまたお会いすることがあれば、何卒宜しくお願いいたします。

もしサービス開発やマーケティングに興味があるという方がいたら、お気軽にメッセージをいただければ幸いです。

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